「PK戦」平元文雄

 サッカーの試合でリーグ戦ではなくトーナメント戦の場合、同点の場合はPK戦となります。
 私も一度蹴ったことがあるのですが、蹴る前は足が震えたのを覚えています。それぐらい緊張するものです。
 私はPK戦の前には子どもたちにこんなことを伝えます。蹴る前に気持ちを落ち着かせるために、まず自分でボールを持ってペナルティーマークの所にそっと置こう。次に自分の前にキーパーがどちら側かに見事なセービングで止めていたとしても、それを気にせず、迷わずに自分の得意な利き足のインステップキックかインサイドキックで、自分の決めたコースに思いきり蹴ろうと伝えています。よくプロの選手などでゴール真ん中にキックする選手がいますが、それはキーパーがどちらかに的をしぼって跳ぶからであって、少年の試合ではやはりすみをねらって蹴ってほしいと思います。
 今度は守るキーパーについてです。ゴールライン上に立って、大きく両手を広げよう。少年のゴールの幅は5メートルですので、キーパーが両手を広げることでキッカーにとってはゴールは小さく感じられると思います。少年では難しいとは思いますが、相手のキックの方向を読んでどちらかに少しでも跳べるといいですね。PK戦は本当にキーパーの見せどころです。サッカーも小ゴールになってだいぶたちますが、ますますキーパーのウェイトが大きくなってきたように思います。昔はキーパーをやりたいという子が少なくて、指導者が「Aくん、お前やったら」と指名していたチームも多かったと思います。菩提寺もそうでした。フィールドプレイヤーのように得点をあげるということもほとんどなく、点数を入れられたらお前が悪いと非難されることが多かったためかもしれません。そんなことを思うと近年ではキーパーやりたいという子どもは増えてきたように思います。
 それから県大会のPK戦などで、キーパーを運動神経のいいフィールドプレイヤーに替えるチームを見かけます。ルール上は何の問題もありません。でも私はこのやり方は好きでありません。
試合を同点で頑張ってきたキーパーにゆだねてあげたいと思います。もし交替したフィールドプレーヤーを使って勝ったとしても、使われなかったキーパーの心の内はいかがなものかと・・・。
 高校などで、同点で終わりそうなので、その前にPK戦に強いサブのキーパーを入れるチームもありますが、それはサブのキーパーをいかそうとしているので問題はないと思います。
 PK戦の人数は以前は5人ずつで決まらない場合はサドンデスでしたが、最近では少年の大会は3人ずつが多くなってきています。中には時間短縮のために1人ずつということもあります。1人ずつは時間短縮の意味では仕方ないでしょうが、チームとして戦っている感じがしないように思われます。
 最後にPK戦の間、チームで肩を組んで応援する姿をよく見かけますが、あれはいいですね。それとPKを失敗した選手をとがめないということは大事なことだと思います。
 ちなみに先日行われた水口ロータリー杯の予選、甲南第1戦ではPK戦がありました。結果12対13で敗れましたが、どちらのチームも落ち着いた正確なキックが続きました。見ごたえのあるPK戦でした。